日本心臓財団の情報によると、日本では、近年、生活習慣の欧米化に加え、超高齢化により心疾患が急増しているそうです。一生休むことなく打ち続ける心臓を健康な状態で長持ちさせるためにも、日頃から予防意識を向上させましょう。
心血管疾患は、世界中で人々を苦しめ、死に至らしめるあらゆる病の中で、常に上位を占めている病気です。
長年この傾向が変化する兆しはありません。日本では2020年の死亡例の15%が心疾患によるものです。
そして、世界のこの病気による年間の死亡者数は1,800万人近くにものぼっています。
その原因は、人々が最も重要な筋肉のケアを怠っていることに関連しているといわれています。
昨今、人々は心臓の健康に意識を向けるようになっています。健康な心臓を取り戻すには、運動だけでは十分ではありません。
食生活や睡眠時間、そして意外かもしれませんが口腔衛生など、多くのことが関与しています。すべてがつながっているのです。
心臓の健康を促進するために、誰もがすぐに始めることができ、また継続も容易な4つの習慣をご紹介します。
心臓に良い食生活:
食べ物は、心臓の健康と大いに関係があります。たとえば食物繊維。
残念ながら現代人のほとんどが慢性的な食物繊維不足に陥っているといわれています。
食物繊維には多くのメリットがあり、そのうちのいくつかは心臓の健康増進につながるものです。
大麦、オートミール、豆類、ナッツ類のほか、りんご、ベリー類、柑橘類、梨などの果物に含まれる水溶性食物繊維は、心臓の健康に良いとされています。
食物繊維は血圧とコレステロールを低下させるからです。
また、満腹感を与えてくれるので、食事の量を減らすことができるため、体重コントロールを成功に導く手助けにもなります。
食物繊維よりも、もっと心臓に良いのは魚です。一部の魚にはオメガ3脂肪酸が含まれています。
オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、一般的に全身の炎症を抑えるといわれています。
体内で炎症が起きると、血管が傷つき、心疾患や脳卒中を誘発する可能性があります。
オメガ3は体内で生成されないため、週に2、3回魚を食べる、あるいは高品質のサプリメントを摂取するなどしてオメガ3を補うことで、心血管の健康に大きく貢献することが可能です。
また、抗酸化物質を豊富に含む食べ物も、心疾患のリスクを低下させます。
ベリー類、ナッツ類、野菜に含まれる抗酸化物質は、血管を傷つけて血流を妨げるフリーラジカルや、その結果として生じる酸化ストレスと戦います。
抗酸化物質は、細胞を強化し、炎症を抑えることで、心疾患の発症リスクを低下させることがわかっています。
コエンザイムQ10 (CoQ10)も一般的に心臓に良いといわれている栄養素です。
心臓は筋肉です。ほかの身体の筋肉と同様、心臓も力を必要としています。それも大きな力です。
CoQ10は、細胞内でのエネルギーの生成に関与します。そのエネルギーは、心臓が全身に張り巡らされた約10万km(地球の約2周半)の血管(動脈、静脈、毛細血管)に血液を送り出すために使われます。
CoQ10は体内で生成されますが、加齢とともに生成される量が減少するため、肉や脂肪分の多い魚、野菜、果物などの食品から摂取するのがよいでしょう。
心臓の健康を意識する(後編)に続く